息子氏がゲームボーイのことを古いDSと呼ぶの、時代を感じる。 pic.twitter.com/UHC8VwtPlx
— Akke@11/24 PAP6 (@syuironoitokuzu) May 22, 2019
小学校時代、ポケモンは本物の冒険であった
ちょうど私が小学校1年生くらいの時にポケモンが発売された。ポケモンの広大な世界は学区内のみ自転車移動が許された自分達にとって、まさに冒険であった。友人たちと通信ケーブルを使って放課後公園でプレイしていたり、夜更かししすぎて母に3日間没収されたのがまさに昨日のようである。
ポケモンは今でこそ1,000近い種類がいるが当時は151匹が全てであった。「現実の世界にポケモンがいたら俺の相棒は〜」なんて話を何回繰り返したものだろうか。
ポケモンの醍醐味。それは「対戦」
当時の自分や友人達は今では信じられないかもしれないが通信ケーブルというものを使い端末をつなげていた。赤外線通信より遥か前であり画面も白黒であった。端末をつなげて行える事の1つが友人達との「対戦(ポケモンバトル)」であった。
何としても勝利にこだわる自分はカイリューやミュウツー、ギャラドスやケンタロスなど能力値が強いポケモンばかりに陽を当てていた。日本中の小学生が同じように遊んでいただろう。
進化もしないし強くもないポケモン
ポケモンはレベルが低いままだと何も進化しない幼虫の状態であるが、敵を倒し経験値を積むごとにレベルが上がる。幼虫はサナギそして美しい蝶へと最終進化を果たすのだ。もちろん、小学校の闘志に満ちたポケモントレーナーが扱うのは最終進化したレベルが高いポケモン達ばかりであった。
中には不遇とも言えるポケモン達もいた。レベルがどんなに上がっても幼虫のままで、進化系が存在しないモンスターだ。どんなに逆立ちしようが151匹という法律には逆らえないのだ。
まさにカモのような存在
その中の一人が鳥ポケモンの「カモネギ」である。対戦に出てきたとしてもまさに”カモがネギ背負って歩いてきた”状態である。カモネギで最終進化した相手に勝てるわけがない。友人達との対戦では一回も脚光を浴びる事もなく、そのまま時は流れていった。
嗚呼、カモネギ… お主はどうして弱いのか… pic.twitter.com/FwYEusDaym
— イスムさん (@Yakimeshi113) May 17, 2014
ポケモンの歴史は1996年から今日まで続いている
ポケモンの歴史は長く、最初に発売されたシリーズが赤・緑である。その3年後に金・銀が発売されその人気ぶりは社会現象になるほどであった。そこからルビー・サファイアと続き2016年のサンムーンまで多くの種類のポケモンが発売された。今ではポケモンGOの勢いも相まって老若男女に愛されるまでに発展した。
ポケモンの世界が広がり進化前後が新発見される
バージョンが上がるにつれて、ポケモンにもある変化が見られるようになった。それは赤・緑の世界では進化しなかったポケモンが進化するようになったり、進化前が発見されるようになったのだ。例えばイワークというポケモンは赤緑バージョンでは進化前も後も存在しないが、次シリーズの金銀ではハガネールという進化系が実は存在したという事になっていた。
もちろん、イワークだけではなく金銀以降のシリーズにおいても他ポケモンは続々とベールを脱いでいったのである。その間、カモネギは現状維持を言い渡され続けていた。
ポケモン発売時の醍醐味。それは「事前リーク情報」
ポケモン新シリーズが確定するたびに、ネットや雑誌でリーク情報が出回っていた。今では笑っちゃうくらいの的外れなものもあったが、ポケモンど真ん中世代の自分にとってはどれも胸がときめく瞬間で発売が心の底から待ち遠しくなったのも事実だ。
その”的外れなリーク情報"の中にはカモネギの進化系の姿もあった。特にカモネギに思い入れはなかったが次は使ってあげてもいいかなくらいの気にはなっていた。それが現実になることはなかった。
赤緑発売から23年
なんだかんだポケモンをシリーズ一部は飛ばしているものの、2016年発売のサンムーンまではプレイしていた。ただ、熱中していたあの頃とは違いあくまで”ストーリーを一回なぞる”程度の熱中具合であった。昔の自分にとっては現実よりもすごい冒険であったポケモンは、社会に出てからは現実から逃げるための口実になりさがっていた。
1996年の発売から23年後の2019年、時は平成から令和に移り変わり自分は結婚することになった。結婚は何かと物入りで出費がかさむ、小学校の自分には到底ない知見である。
ポケモン最新発売も流し読み
そんな時、コンビニで雑誌コーナーに目を向けると”ポケモン最新作"の文字が見えた。いつもの癖で手にとってパラパラとめくった。
ーー対応機種:任天堂Switch(税込◯万円)ーー
仕事の時に使うワイシャツが数枚買える値段だな、そろそろ買い換えなければ。思考は気づくと現実世界の事ばかり考えていた。
ポケモン引退決意とスマホ画面
雑誌を流し読みして「自分もポケモン引退かー」と悟った以来、ポケモンの事はすっかり忘れていた。結婚が控えており物入りの時期、辞めるには好都合であったしもうゲームなんてしないだろうと確信もしていた。
その数週間後、大学の後輩と飲む機会があった。後輩は「僕ポケモン買うんですよー。先輩そういえばポケモン前作までやってたって言ってませんでしたっけ」と言ってきた。自分は率直に「あー、switch持ってないしポケモンも覚えきれないしそろそろ卒業かなー。てかそろそろ結婚するからね笑」と返した。
後輩はスマホの画面をこちらに軽く傾けながらこう続けた「そうなんすねー確定した新ポケモンこんな感じらしいっすよ」。
-明らかにカモネギの進化系おるやん-
うぬぼれ心の声
すぐに悟った。ポケモン世代のアラサーを狙ったなと。
恐らくカモネギをここで進化させるのはポケモン側の戦略とも言えるだろう。赤緑時代の数少ない進化しないポケモン。ガチ勢でもあまり多用しない、一般的にはほぼ見かけない戦力にもならないポケモンをなぜか今このタイミングで進化させたのだ。23年の歳月を経て。ふと”ある場面”を思い出した。初期のポケモンですら知らないの小学生も当然いるのだ。
ーかつて大学生時代に塾講師をしていたことを思い出した。臨時で小学生を担当させられ時があったのだ。生徒から授業に飽きたという理由で”ポケモンしりとり”をねだられた。じゃあ先生からねと言われ、自分は”カメックス”と言った。その生徒の口から出た言葉は衝撃的だったー
かめっくす?そんなポケモンいないよ
by2005年生まれの生徒
-めっちゃおるわボケ-
うぬぼれ心の声
気づくとswitch購入を決定
その後輩には後日ラインで次のように返していた。「あーやっぱ俺も買うわ。そっち盾よね?俺剣の方買うわ」なんでそうなったかは分からない。カモネギが23年ぶりに進化する事がその購入を決意させたかは不明だが、スマホをぽちぽちと気づいたら予約は完了していた。もしかしたら、単に目に入ったポスターの効果かもしれない。
カモは騎士に進化していた
カモネギの進化系の名前はネギガナイトである。個人的にはネーミングセンスは抜群に良いと思っている。凛々しい中にも可愛さがあり、ネギが剣のようになっている。キャラクターデザインも最近見た中だとかなりイカしている方だ。
ガラルポニータがいいからシールド買うって人も居るけど私はネギガナイトの方が欲しいからやっぱりソード(笑)
— えりか (@gzxxxx310) October 28, 2019
凛々しくていいやん🥺w pic.twitter.com/C5j97TraJ9
やっぱり俺はチキンライスでいいや
ポケモンは自由にニックネームをつける事ができ自分も小学時代にはチーム全員に愛称をつけていた。今回はswitchも買うし久々にニックネームでもつけて楽しみまくるか。なぜかそう思っている。そしてネギガナイトがチーム入りする事は確定している。
ニックネームはもうすでに決めている ”マサムネギ" だ。はるか昔に雑誌でカモネギの進化系のデマ情報が流れた。その時"マサムネギ"と確かに書いてあったのだ。
マサムネギ、次は使ってあげてもいいかなくらいの気にはなっている今日この頃だ。
マサムネギ知ってる人いる!? pic.twitter.com/nrjQWF0feb
— 依田きるりあ@しゃどーる新規 (@ralu0918) March 1, 2019
-あとがき(2019.11.18)-
▼自分と同じポケモン世代の方には響いて嬉しい。。。😭✨▼
コラム読んで冒頭で涙、後半で爆笑
— 卯月といち (@heppokotoichi) November 17, 2019
カモネギ…お前進化するんか…マサムネギかっこよかったのにネギガナイトなんやのその顔…なんやそのネギ…私も名前マサムネギにする https://t.co/ZdS2MoBA90